一物全体

「一物全体」
マクロビオティックでの大きな観点の一つです。
この意味は、「一つのものを丸ごと食べる」こと、とよく言われます。

私自身は、食べ物に限らず、「一」というまとまりは、常に「全体」として存在しているというような観点を言っているものだと理解しています。

例えば、人参1本(丸ごと葉まで付いた状態)は、それは、そのままで、全体で調和をしている状態だと言えます。なので、なるべく、調和した状態をまるごと食べたほうが、(例えば、皮ごとキンピラにして、葉の部分はスープに使ったり)調和した状態を保っていたい私たちの体を、応援してくれるということです。

人参のカロチンだけを取り出して、サプリメントにしたものは、「部分」の集合です。

けれど、人参1本は、”活きた”バランスが存在している。
いろんな要素が、有機体として美しい「結晶」を作っていて、「部分のただの足し合わせ」を超えて、活きた「結晶体=全体」となっています。

昔の人は、なるべく、食べ物を粗末にしないように、捨てるところをなるべく少なく、あらゆるところを、食卓に、生活に、活用してきました。

私たちも、なるべく、全体を(結晶を)丸ごと、いただきたいですね。そうなると、やっぱり、野菜や穀物は無農薬の方が嬉しい。皮まで、根まで、全部安心して食べられるから。

不自然に、部分だけを(いいところだけ)を、たくさん食べるよりも、自然にあるものを、全体で、余すことなく、少しをありがたく食べる方が、きっと、もっと元気になれる気がしませんか?

※2010年9月9日の記事です。