2016年

3月

17日

原発事故避難者の証言

 原発事故で放射能被ばくをされ、九州に避難してきた方の生々しい証言の動画があります。これを見ると、福島第1原発から漏れ出した放射性物質による内部被ばくの状況がわかるだけでなく、放射性物質により家族離散という二次的な問題が発生していることも理解できるでしょう。また、政府や自治体、電力会社、マスコミの隠蔽体質、経済優先、弱者放置といった方向性が全く変わっていないこともよくわかります。これから、われわれは一体どうしたらよいのか、という問題提起をしてくれる映像なので、ぜひご覧ください。

      放射性物質によってもたらされる病気や症状

 

体内に放射性物質が取り込まれると、さまざまな部分に蓄積し、放射線を出し続けて、細胞を破壊します(内部被ばく)。それぞれの放射性物質が体のどこに濃縮しやすいかということは、すでに医学的に明らかにされています。

 

のどの甲状腺にはヨウ素131が蓄積し、甲状腺ホルモン障害を起こします。半減期は8日。プルトニウム239は特に「肺」と「生殖器」に濃縮しやすく、男性では精巣、女性では卵巣に濃縮しやすい性質を持っているので、子供達に影響がでてきます。プルトニウムの半減期は二万四千年。二万四千年間もはじめと同じ量の放射能が出続けるのです。十四万五千年たっても放射能は64分の1になるだけで、永遠にゼロになることがないのが放射性物質なのです。

 

骨にはストロンチウム90が蓄積されて、白血病を起こします。半減期28年。肝臓にはコバルト60が蓄積されて肝臓がんになります。半減期5年。生殖腺にはセシウム137が蓄積し、不妊になったりホルモン障害を起こしたり、生まれた赤ちゃんは思い障害をもちます。半減期30年。

 

外部被ばくでは、1ミリシーベルト被曝すると、全身の細胞1個当たり520カ所以上の電離作用を受けて,ほぼ100%の細胞で誤った修復あるいは,修復できない損傷が生じます。さらに被曝線量が増えると,1個の細胞の損傷箇所が増えて,細胞の機能の損失が生じ,細胞の死滅が増加します.多数の細胞が死滅すると急性放射線症を発症します.


 0.3 シーベルト,すなわち,300 ミリシーベルトの被曝では,脱毛と紫斑の発症率は 0.05%,すなわち1 万人が被曝して5 人,内部被曝による下痢の発症率は 0.08%,すなわち1 万人が被曝して8人が発症することになります。


 多数の細胞死によって発症する急性放射線症状は,被曝線量によって重篤度が異なり,低線量被曝(内部被ばく)ではきわめて限定的・部分的に細胞が死滅してがんなどの病気を作り出しますが、臨床的には症状として検出されにくいのが問題です。

 

チェルノブイリ原発事故後、汚染地域に住む妊婦たちの身体に、様々な異変が起きていることがわかってきました。キエフ小児産婦人科研究所では、事故直後から汚染地域に住む妊婦2万人以上について、出産に関する詳しい調査を続けてきました。その結果、汚染地域の妊婦の貧血が事故前に比べて10倍に増えたほか、死産や早産が多く発生していることがわかりました。出産異常の原因をさらに詳しく分析してみると、子宮内の出血や早すぎる破水などが増える傾向にあり、主に母体の異常が死産や早産を引き起こしていることがわかりました。

 

ロシア保健省放射線生物物理学研究所の内部文書は事故後、2年の間に参加した事故処理員1886人の健康状態について、8年間追跡調査したものです。それによると、事故処理員たちの間に、心臓病・精神や神経障害・癌が多発しています。癌の発病率は、一般の人の3倍、4人に1人は労働不能の状態に陥っています。そして、30代の人たちがまるで50代のような身体になっていると結論づけています。この調査では、さらに将来予測を試みています。その結果、「事故のあった年の処理員の100% が、西暦2000年には労働不能状態に陥る。さらに、そのときの平均死亡年齢は44.5歳になるだろう」と報告しています。

 

ティルマン・ラフ 核兵器廃絶国際キャンペーン代表 オーストラリア・メルボルン大学ノッサル国際医療研究所準教授の話では

「米国国立科学アカデミーBEIR VII報告書によれば、1mSvの放射線(被曝)は固形癌(白血病以外の癌)については約1万人に1人、白血病では約10万人に1人、癌による死亡では17500人に1人のリスク上昇をもたらすものとみられる。だがもっとも見落としてならない点は、全ての人間が同じレベルのリスクに晒されるわけではないということだ。放射線による癌のリスクは幼児(一歳未満)の場合、成人の3~4倍になる。また、女の幼児は男の幼児に比べ、2倍感受性が強い。

 

女性全体の放射線被曝による癌のリスクは、男性に比べ4割高い。また放射線に対して誰よりも敏感なのは、母親の子宮にいる胎児である。母親がX線検査を受けると胎児は10~20mSvの線量を被曝する。これにより15歳までの子どものあいだの癌の発症率が四割上昇していることが、この分野では先駆的な「オックスフォード小児癌サーベイ」の調査で判明した。

 

ドイツで最近行われた全国の小児癌登録データ25年分の研究では、通常運転時であっても、原発はそこから5キロ圏内に暮らす5歳以下の子どもの白血病のリスクを2倍以上上昇させていることが明らかになった。50km以上離れた場所でも、リスク上昇がみられた。これは予想をはるかに上回っており、子宮の中ないし外にいる子どもが放射線に対して特にぜい弱であることを強く示している。

 

よくある外的な放射線計測器で測られる被曝だけでなく、粒子を呼吸によって肺に吸い込んだり、汚染された食物や水を通して取り込んだりすることで、子どもたちは内部被曝をすることになる。人々の体内には食物連鎖を通して多量の放射性物質が濃縮されるのだ。」と言っています。

 

2000427日の東京新聞に「原子炉閉鎖で乳児死亡率激減」という記事が載っています。それによると、「1987年から97年までに原子炉を閉鎖した全米7か所の原子炉発電所を対象に、半径80キロ以内の居住の生後1歳までの乳児死亡率を調べた。調査は、原子炉閉鎖前の死亡率と、閉鎖2年後の死亡率を比較しているが、それによると、87年に閉鎖したワイオミング州のラクロッセ発電所では、15.3%の死亡率減少だった。もっとも減少率の大きかったのが、97年に閉鎖したミシガン州ビックロック・ポイント発電所で54.1%の減少だった。減少は、がん、白血病、異常出産など、放射線被害と見られる原因が取り除かれたことによるものとしている。」と報告されています。

 

「家族を内部被ばくから守る食事法」 岡部賢二著 廣済堂出版 より