廣久葛本舗見学

 福岡県朝倉市秋月にある廣久葛本舗さんを訪問しました。プチ断食セミナーの打ち合わせのためです。

廣久さんの名前はベジガーデンの仲さんを通じて知っていましたが、今回初めて訪ねることができました。

十代目の高木久助さんとお会いし、葛作りについて詳しく教えていただきました。

 

 今まで葛は、自然食問屋のムソーさんを通じていただいていましたが、同じ秋月にある別のメーカーさんのものをずっと使っていました。高木さんに工場を案内していただき、昔ながらの製法になぜこだわるのかを熱心に説明していただきました。私の知らないことがたくさんあり、とてもよい勉強になりました。

 お聞きした話によると、昔ながらの手間ひまのかかる製法で作られている葛メイカーは廣久さんしかないのだそうです。本葛といわれるものでも、通常の製法では漂白と防腐、増量剤として強アルカリの石灰が使われ、その中和剤として強酸性の硫酸がPH調整剤として用いられているとのことです。

 

 また、消泡剤を使用ものもあり、安価で大量に生産するためにはどうしても必要となるようす。、廣久さんのような一切の添加物を使わない製法では、量産ができないため、販売価格もかなり高くなります。また、変色したり、風味にバラつきが出たりと、品質管理がとても難しいそうです。

 

 さらに、国産の原料を使って作っている工場も少なくて、価格を抑えるために輸入物の葛でんぷんにジャガイモやタピオカ、サツマイモ澱粉や増粘多糖類を混ぜるケースも多いとのことです。廣久さんでは自社で九州産の葛を掘りに行き、鹿児島の工場で加工しています。

 

 年々、天然の葛は不作になって」いて、葛堀り職人さんも高齢化と重労働のため少なくなっていて、良い葛の確保が大変だそうです。葛の乾燥も一般品はボイラー乾燥ですが、廣久さんでは自然乾燥にこだわっています。ただし、1年~1年半も乾燥期間が必要となります。ゆっくりと長期間乾燥させることで、粘りが出て食感が良くなるからです。

 

 葛そーめんとクズきり、葛餅をいただきましたが、どれも弾力があり、食感がすばらしく、今まで食べてきた葛とは確かに違いました。本物はのどごしも良いのですが、ざらつきがなく、口の中でとろける感じです。

 10月21日(日)に、月のリズムで葛を使ったプチ断食をテーマに廣久葛本舗さんで講座を開催することになりました。高木さんによる工場見学や葛を使ったランチ、ベジガーデンの仲ひろみさんによる葛を使ったスイーツ教室などのコラボイベントです。詳細が決まり次第、案内させていただきます。ムスビの会のヨモギ・スギナ粉末を用いた葛湯も特別に販売する予定です。高木さんは、私と方向性を同じくする同士のような印象を受けました。話が合うので、これからの展開が楽しみです。

 

廣久葛本舗 詳しくはコチラ