ストロンチウムによる海洋汚染

 ストロンチウム90という核種をご存知ですか。放射性物質というとセシウム137ばかりに関心が集まりがちですが、チェルノブイリ原発事故で被害をもたらしたのは、セシウムよりもストロンチウムの害の方が大きかったといわれています。食物のベクレル検査ではセシウムの数値は測られますが、ストロンチウムについてはほぼノーチェック状態となっています。

 

 カリウムに似た性質を持つセシウムは主に骨に蓄積しますが、カルシウムに似た性質を持つストロンチウムは骨に溜まりやすいことがわかっています。新陳代謝が遅い骨に蓄積した場合、排泄するのに20年~30年かかるといわれています。

 

 空気中に揮発しやすいカリウムと違い、ストロンチウムは水に溶けやすい性質があるため、水生の生き物、とくに魚の骨に蓄積されます。福島原発から爆発によって漏れ出した核燃料にはセシウムとほぼ同量のストロンチウムが存在したといわれているので、相当な量が海に漏れ出したと思われます。

 

そのため、近郊の海の魚介類の汚染が心配されているのです。特に、骨ごと食べる頻度のたかいちりめんジャコや煮干にも注意してください。カルシウムの多い牛乳にも要注意です。

このことに関して元京都大学助教の小出裕章氏の見解を載せておきます。

 

小出氏のストロンチウム90の見解(海編) 詳しくはコチラ

 

 そうしたストロンチウムの害から身を守るためには、骨を管理する陰陽五行の腎・膀胱系を強化する必要があります。腎の食薬は、色では黒色、味では塩味、形は根の形状のもの。五穀では豆で、ごぼうなどの根菜類、海藻類、豆類を煮しめて食べるのが秘訣となります。

 

 マクロビオティックの食事では、ひじきレンコンやごぼう・にんじん・レンコンの金平、小豆昆布といった料理がを腎の強化に用います。

 

 また、麹によって発酵した食品にも、放射性物質を排泄する力があるので、塩と豆と麹によって作られた伝統製法の味噌や醤油、塩麹もおすすめの食材です。放射性物質は発汗によっても排泄されるので、しっかりと汗をかく習慣が大切ですね。