感染症から身を守る梅醤番茶

昨日は感染症対策として梅酢スプレーを紹介しましたが、飲み物としては、梅醤番茶がおすすめです。

 

梅干しに醤油を混ぜて練ったペーストに煮出した三年番茶を注いだ飲み物で、マクロビオティックの手当て法の三種の神器の一つになっています。

 

強力な抗菌・殺菌・防腐・抗生作用で、感染症から身を守っるだけでなく、体温を上げ、免疫力を高めてくれます。私の過去の記事を掲載しますので、ぜひご覧ください。

               活力の供給源・梅醤番茶

 

 

 

三種の神器、梅醤番茶、材料とその効能は?

 

 マクロビオティックの手当て法の三種の神器の一つが梅醤番茶です。毎朝飲まれている方も多いのではないかと思います。私は1カ月分を手作りしてビンに保存し、家族みんなで飲んでいます。子どもたちは調子の悪い時にしか飲みませんが、家族全員、そのおかげで元気に過ごしています。その効能効果について見て行きましょう。

 

 

 梅醤番茶に使われている材料は昔ながらの梅干しと伝統製法の醤油、三年番茶、生姜です。梅干しの塩気とクエン酸や醤油に含まれる約20種類のアミノ酸、三年番茶に含まれる渋み成分のタンニン、生姜の酵素には殺菌、防腐(腐敗防止)、抗生(天然の抗生物質的な作用)があります。この四つの力により、どんな菌も寄せ付けない効果が生まれます。

 

 

 また、梅干しのクエン酸は疲労物質である乳酸を分解し、疲労回復を促します。醤油や三年番茶には強心剤的な働きがあり、心臓に活力を与えることで血液の循環がよくなります。そのため、手先・足先といった末梢の血行がよくなって体が温まってきます。梅干に含まれる鉄分や塩分には増血作用もあるので、冷え症で貧血、低血圧といった虚弱な体質の方にはぴったりの飲み物なのです。

 

胃腸強化、血流を良くし、病気予防におすすめ

 

 

 さらに胃腸の弱い方におすすめなのが梅醤番茶です。胃腸の温度が下がると消化に使われるホルモンや酵素の働きが落ちてしまい、食べても太れない状態や、アレルギーのような消化不良状態を引き起こします。食後に眠くなる、という人や、食後に甘いものが食べたく人は胃腸が弱っています。雪を溶かす融雪剤にも使われている塩には蓄熱作用があります。そのため梅干しや醤油由来の塩分を含む梅醤を外気温が最も下がる朝方の体温が低くなる時間帯に飲めば胃腸が温まり、消化吸収力が増すのです。

 

 

 免疫力は体温と関係していて、体温が一℃下がると30%~40%も低下することがわかっています。私は免疫力とは血液の循環力だと捉えています。体温が上がると血液の流れがよくなり、酸素や栄養が全身の細胞に満遍なく行き渡ります。その結果、肉体が心地よくなることで精神も安定し、笑顔になります。ガンやアレルギーなどの生活習慣病の方には低体温の方が多いので、そうした病気の予防にも梅醤番茶がおすすめです。

 

だ液の分泌を促す梅醤、雑菌の繁殖をふせぐ

 

 

 糖尿病になると出てくるのが口渇と言うだ液が出にくくなる症状です。口の中が乾燥すると雑菌が繁殖するので感染症にかかりやすくなります。ところが梅干しは見ただけでだ液が出る食べ物なので、梅醤番茶を飲み続けていくとだ液の分泌が良くなるのです。元気な赤ちゃんはだ液が豊富なように、生命力の強さはだ液の量で推し量ることができます。活力の「活」という字は舌から出る水、すなわちだ液が多ければ健康になれることを示しています。虫歯や口臭も口の中の雑菌が原因ですから、梅醤番茶が有効です。

 

 

 梅干し、醤油、番茶という三つのアルカリ成分で血液をサラサラ状態に戻してくれるのが梅醤番茶ですが、これらの成分は陽性(収縮性)なので、一か所に滞りやすいのです。ところが生姜を少し入れると、陽性な成分が生姜の陰性(拡散性)によって満遍なく体の中に行き渡ります。生姜を運び屋として用いるのですね!生姜がない時には「ショウガない」とあきらめずに唐辛子を少量用いてもよいです。さすがに胡椒やニンニクは合いません。生姜は脂肪分を分解する酵素が豊富なので、肥満予防にもぴったりです!

 

梅醤作りに挑戦して、活き活きした生活を!

 

 

 梅醤の作り方は、湯呑みに梅干しと醤油を入れて割り箸で潰していくやり方が一般的ですが、すり鉢とすりこぎを用いた方が手早くでき、しかも美味しくなります。上下運動よりも回転運動で混ぜ合わせたほうがエネルギーレベルは高まるようです。梅干(種つき)と醤油を同量用意し、初めに梅干しをすり鉢に入れ、潰しながら摺っていきます。摺っているうちに種が自然に外れてきます。梅干しがペースト状態になったら、醤油を少しずつ入れてさらに摺っていきます。練っていくうちに、段々と光沢が良くなります。

 

 

 15分くらいあれば1カ月分ができ上がるので、ぜひ挑戦してみてください。醤油も2~3種類違ったものをブレンドするとより美味しく仕上がります。最後に生姜の搾り汁を好みの量で入れれば出来あがりです。肉食が過去に多かった人は生姜を多めに、穀物菜食の方は少なめで良いでしょう。自分で作るのが難しい場合には、自然食品店で梅醤エキスが売られているのでご活用ください。三年番茶は30分くらい煮出した方が美味しいです。

 

 

ぜひ、梅醤番茶を飲んで、活き活きとした生活を送ってくださいね!

 

「むすび」誌(正食協会)2016年6月号より 連載記事 文 岡部賢二