6.生命力の王様 レンコン 食の効用ABC

レンコン

生命力の王様 レンコン

 レンコンは、「先が見通せる」ことから、おせち料理やおめでたい席に欠かせない食べ物です。蓮は泥沼できれいな花を咲かせるところから、仏教徒の間では極楽の地に生えているものとして、もっとも清浄視されています。仏さまが蓮の台に座しているのも、瞑想のときに蓮華座を組むのも、蓮の生命力を象徴したものと思われます。
 実際、二千年前の化石化した蓮の種から蓮の花がみごとに咲き、話題となりました。蓮の生命力が凝縮した食物が蓮の地下茎であり、新しい命の芽をつくるレンコンなのです。


<よいレンコンの見分け方>
 レンコンは秋から冬にかけてがいちばんおいしい時期で、ほどよく小太りしたものがよく、細くて小さく未熟なものは歯ざわりも悪く、味もよくありません。また、切り口が薄茶色になり、よく糸を引くレンコンほど陽性で薬効が高まります。切り口が紫色になるものは化学肥料が含まれており、陰性と判断します。
 しかも、切り口の穴の形が丸ではなく三角形や楕円形になっているものは、ほとんどが畑レンコンです。本来のレンコンは沼レンコンで沼の水圧に耐えながら太くなるため、穴の形も真ん丸で非常に強い生命力をもっています。市販のレンコンのなかには漂泊したものや、変色を防ぐために薬品につけたものがありますので、できるだけ泥つきのものを手に入れてください。


<ぜんそく・咳止めの妙薬>
 レンコンは水気の多い陰性の環境を好み、渋みがあること、また酸素を吸っ て二酸化炭素を吐き出す呼吸をしている点からみて、根菜類のなかでもいちばん陽性が強いと思われます。そのため、陰性病といわれるぜんそくや結核、咳止め の妙薬として昔から活用されていきました。レンコンのなかでもとくに節の両側3センチの所が引き締まっていて陽性が強く、ミネラルやでんぷん質を濃縮して います。
 咳や痰が出るのは水分のとりすぎで体に水毒がたまっている状態です。この場合はレンコンの節の部分をおろし、盃に一杯分を服用すると水毒が抜け、咳や痰が鎮まります。とくに咳が出て熱が高いとき(38℃以上ある場合)は、このレンコンのおろし汁が効きます。


<レンコン湯の薬効>
  ぜんそくは気管がゆるんで、空気の通りが悪い状態で発作が起こります。レンコンは気管の形と類似しており、気管を押し広げながら締めていく独特の働きがあ ります。レンコンの搾り汁30~40CCに、吉野くず(筋肉の緊張を緩め、副交感神経を刺激して呼吸を楽にする)小さじ一杯と、ジンゲロール(痛みや炎 症、はれなどの症状を抑える)を含む生姜汁2,3滴、醤油(心臓を強化して血液循環をよくする)少々と熱湯150CCを加えたレンコン湯は、まさに咳止 め・ぜんそく、風邪の妙薬となります。
 陰陽五行説では、肺・大腸系は呼吸や皮膚を支配しており、白い食物や辛みのある食物が食薬となります。そ の点、レンコンも生姜も吉野くずも白い根の食物で、栄養分や水分を吸収する人間の根に相当する大腸を強化してくれます。辛みをもつ生姜の量を少し増やすと 肺が活発に動き、発汗作用が高まって水毒が抜けていきます。花粉症や湿疹も水毒からくる病気ですから、肺・大腸系を強くするレンコン湯がおすすめです。
 レンコンがない時期はレンコンの粉末が自然食品店で販売されていますので活用してください。常備しておくと便利です。


<タンニンの止血作用>
  レンコンが健胃剤といわれていたのが、タンニンの強い止血作用や炎症を抑える働きのためです。レンコンの搾り汁を飲むと、のどの痛みや鼻血を止め、胃潰瘍 や痔、産後の不正出血などの内臓の傷を治してくれます。また、タンニンには解毒作用があり、二日酔いの防止にも最適です。ヒジキは血管の形と類似しており 血管を強化しますので、ヒジキとレンコンの煮物は海と山のものが調和して、より出血性の病気への薬効が高まります。


<ネバネバとビタミンCの薬効>
  レンコンには100グラム中に55ミリグラムもの(レモン1個分に相当する)ビタミンCが含まれています。しかもでんぷん質にガードされ、熱や酸素で壊れ にくいのがレンコンのビタミンCno特徴です。ストレスが多いと副腎皮質ホルモンが大量に分泌し、消耗してしまいますが、ホルモンを構成する材料となるビ タミンCを豊富に含むレンコンを食べると、反対にストレスやイライラが治まり精神的に落ち着きます。
 また、レンコンのネバネバはムチンといって 糖質と結合した複合たんぱく質です。このネバネバ物質には体内の有害な物質を吸着する働きがあります。ネバネバをつくるムチンは粘膜と類似しており、ビタ ミンCも粘膜を強化することから、相乗効果でのどの粘膜や皮膚を保護するものと思われます。生命力豊かな山の恵み・レンコンをぜひ活用してください。