23.美肌作りの万能薬 ハトムギ 食の効用ABC

23.美肌作りの万能薬 ハトムギ

美肌づくりの万能薬 ハトムギ

 

 ハトムギはイネ科の植物で、子どものころ首飾りをつくって遊んだジュズダマの仲間です。古くから体にいいことが知られており、ハトムギの皮を除いたものは「ヨクイニン」と呼ばれ、約二千年前から漢方の生薬として用いられてきました。

中国では筋肉痛や関節炎などによる痛みに効果があり、強壮剤としてもよいとされてきました。
 日本に渡来したのは奈良時代のことで、イボ取りに効果があるというので江戸時代から人気が高かった食物です。


抜群の美肌効果


 ハトムギは別名「イボころり」と呼ばれ、イボを取り、シミ、ソバカス、ニキビ、サメ肌などの肌荒れを改善する働きが古くから知られていました。
このようなハトムギの効果は、皮膚の血流やリンパ液(体の組織間を満たしている液)の流れをよくする働きがあることに由来しています。ここでいう皮膚とは、体の外側だけをいうのではなく、口から食道、胃、腸までの体の内側で表面になっている部分で、粘膜も含まれています。
 初期の胃潰瘍やがんがハトムギによってよくなるのは、ハトムギに多く含まれるたんぱく質のなかのアミノ酸分解酵素の働きです。それにより新陳代謝が高まり、皮膚や体内の老廃物が分解され、余分な水分と一緒におしっことして排泄されます。食欲不振や胃のもたれる人にもハトムギはおすすめです。


便秘の予防


 ハトムギを食べるようになって便通がよくなったという人が大勢いますが、これはハトムギの中に含まれる難消化性の食物繊維の働きです。不消化性の食物繊維は腸内にいる乳酸菌などの微生物の発育を活発にして、ビタミンB2やB6などの生産に役立つうえ、便秘の予防になります。皮膚の荒れは便秘と深い関係があり、ハトムギを食べて便通がよくなることで、皮膚をきれいになります。
 陰陽五行説では、肺・大腸系はリンパ液の循環や水分代謝、皮膚と関係しており、食べ物でいうと白い食物が食薬となります。硬い外皮を取り除 いた白いハトムギ(ヨクイニン)が肺・大腸系を強化し、それによりリンパ液の循環がよくなり、むくみが取れ、水はけの悪さからくる皮膚の炎症も改善されます。また、ハトムギが腸にたまった老廃物を押し流すことで便秘が解消し、血管循環の悪化からくるイボ痔も改善されます。


がんの予防効果


 イボは良性の腫瘍の一種ですが、それに効果があるハトムギは悪性腫瘍(がん)に効くのではないかと考えられています。実際、ネズミを使った京都府立医科大 学の研究で、ヨクイニンで白血病や悪性黒色腫(皮膚がん)や肺がんなどのがん細胞を抑えることができたと報告されています。
 また、ハトムギには この抗腫瘍作用のほかに、抗ウィルス作用や抗菌作用が確認されています。これは、ハトムギに含まれるコイクセノリドという成分の働きです。そのほか、ハト ムギに多く含まれ、がんに効果があるといわれるゲルマニウム、たんぱく質分解酵素やカルシウム、鉄、ビタミンなどの相乗効果で消化器系のがんや皮膚がん、 さらに内臓でできるイボであるポリープや肉腫、筋腫を抑えるものと思われます。


アトピー性皮膚炎の改善


 アトピー性皮膚炎の患者さんの90パーセント以上は皮膚の細菌感染によって症状が悪化しています。
ハトムギの抗ウィルス作用と抗菌作用が発揮されると肌のじくじくした状態が改善し、傷の治りを早めて症状を軽くします。これは前述したコイクセノリドという成分にある皮膚の角質(もっとも表皮に近い部分)の新陳代謝を高める働きによるものです。
 ハトムギの表面の皮と内側の皮との間に含まれる成分がとくに有効ということですから、外皮まで含んだハトムギ茶を外用として入浴剤に使用すると、アトピー 性皮膚炎を早く改善することができます。また、アトピー性皮膚炎の子どもは共通して胃腸が弱いのですが、ハトムギに多いでんぷんの糖質に胃や腸の粘膜を保 護する働きがあります。さらにのどの粘膜の弱りからくるセキやタン、のどの痛みにも有効です。


ハトムギの食べ方


 玄米ごはんであれば、3パーセントくらいハトムギを入れて食べるとよいでしょう。小豆を5パーセントほど入れるとより利尿効果が高まります。ハトムギのスープも美肌作りに最適ですが、ゆっくり時間をかけて煮込むことが大切です。粉末のハトムギならそのままスープやおかゆに加えるだけで簡単にハトムギスー プやおかゆができ、消化もよく便利です。粉末なら1日小さじ1~2杯でよいでしょう。ハトムギの粉は水に溶いてパックにも使えます。