17.根の野菜の充電力 鉄火みそ 食の効用ABC

17.根の野菜の充電力 鉄火みそ

根の野菜の充電力 鉄火みそ

 食養の鉄火みそは桜沢如一先生(マクロビオティック創始者=編集部注)が考案したもので、根の野菜のパワーが濃縮した体質改善薬です。

 ゴボウとニンジン、レンコンを1ミリ角のサイの目に切ります。細かく刻むことで、より野菜のエネルギーが引き出されます。

これらの野菜に生姜を加えて炒め、さらに八丁味噌とごま油を加えて2~3時間丹念に炒り上げたふりかけが、鉄火みそです。


 冬場にできる根の野菜には、エネルギーがタップリと貯えられています。植物は葉っぱで発電したエネルギーを、春から夏にかけて自らの葉や茎の成長に使いますが、寒くなる冬になると、エネルギーをデンプンやオリゴ糖という形で根っこに貯えます。冬場にできる根の野菜は、いわば太陽エネルギーの缶詰なのです。


 また冬場の野菜は、「冬の精」といわれ、寒さに弱い「腎」(陰陽五行の腎・膀胱系)を温め、「精気」としてエネルギーを「腎」に貯えてくれます。「腎」の働きがよくなると全身の水の循環も良くなるため、むくみや冷え、水毒から起こる呼吸器系疾患などが改善されます。


 また、「腎」は内分泌も支配しており、その衰えから老化現象が引き起こされます。冬場の根の野菜に火のエネルギーと極陽性の八丁味噌が合わさった鉄火みそで、足腰の冷えや弱り、記憶力の低下やボケ、気力や体力の低下など、老化現象全般が解消されます。


 ゴボウのリグニン(食物繊維)やニンジンのベータカロチン(抗酸化色素)には制ガン作用が、レンコンのタンニン(カテキン)には気管系統を整え体の酸化 (老化)を抑える働きがあります。八丁味噌にもメラノイジン(抗酸化色素)やサポニンやレシチンなどの体の酸化を予防する成分が含まれています。


 体温が上がると免疫力も上がるので、体を温めながら体の酸化防止をする鉄火みそは、老化(酸化)現象の改善だけにとどまらず、ガンの予防(抗酸化)にも有効です。


 自然薯や鯉が入ったさらに陽性な鉄火みそもあり、結核やぜんそくなどの陰性病に用います。玄米ごはんにふりかけてお召し上がりください。